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プランド・ハップンセオリー(計画的偶発性理論)って知ってる?

プランド・ハップンセオリー(計画的偶発性理論)って知ってる?

2020/05/06

こんにちは。たけむーです。

皆さんはプランド・ハップンセオリースタンス(計画的偶発性理論)という言葉をご存知でしょうか。この言葉は、私が兵庫県のワーク・ライフ・バランス推進事業の相談員を務めていたころに、色々とお世話になった講師の先生から教わった理論です。この理論はバルーンアートに通じることが多くあり、今も大切にしている理論なので今回はご紹介したいと思います。

目次

プランドハップンセオリースタンス(計画的偶発性理論)って何?

プランド・ハップンスタンス(計画された偶発性理論)とは、20世紀末にスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提唱した理論です。
これまでになかった偶発性とキャリア形成の関係を示すものとして注目を集めました。プランド・ハップンスタンス理論のポイントは。

・変化の激しい現代において、キャリアの8割は偶然の出来事によって形成される
・偶然の出来事を利用して、キャリア形成に役立てる
・自ら偶然の出来事を引き寄せるよう働きかけ、積極的にキャリア形成の機会を創出する

例えば、アーティストやデザイナーが、自分がこれまで取り組んでこなかったような要求を顧客から投げかけられ、必要に迫られて自分のスタンスとは違う作品を生み出したところ、そのことがきっかけで新しい表現の可能性を見出すこととなり、それが高く評価されて予期せず成功を手にすることができたというようなことも少なくありません。

このような偶然を意図的にキャリア形成に生かしていこうというのが”プランド・ハップンセオリースタンス(計画された偶発性理論”となります。

(参考:日本の人事部 https://jinjibu.jp/keyword/detl/974/)

プランド・ハップンセオリースタンスによるキャリア形成理論

”計画が正しければ間違いなく成功する”というのは誰が考えても当たり前のことです。ですから、計画を立ててそれを100%正しく実行することを考えるのが本来ならば普通で、”偶発性”というのは単なるラッキーパンチにしかすぎません。基本的には”ないもの”として考えるのが一般的でした。

しかし、プランド・ハップンセオリースタンスは、この”偶発性”を”ある”と受け入れて意図的に引き寄せようというものです。そして、そのための5つの行動指針を示しています。

5つの構成要素

構成要素は次の通りです。

<好奇心>
興味関心のある分野のすそ野を広げる。なんにでも興味を抱いてワクワクすること。

<持続性>
失敗体験があったり、苦手意識をもってることでも、まずは続けてやってみること。


<柔軟性>
こだわりや固定観念、理想に囚われすぎないこと。

<楽観性>
失敗や苦難があっても”何が起きてもきっと上手くいく”と前向きにとらえること

<冒険心>
他社からの批判、失敗やリスクを恐れずに勇気をもって挑戦すること。


こうした行動指針をもっていれば、何事も必ずうまくいくというのがプランド・ハップンセオリースタンスの考え方です。

5つの行動を阻害するもの

<好奇心の阻害要因>
新しいことを覚えることを諦めてしまうきもち。

<持続性の阻害要因>
どうせうまくいかないと失敗することを恐れてしまうきもち。

<柔軟性>
変化を恐れて現状維持を望むきもち。

<楽観性>
経験のないことをすることに対する不安なきもち。

<冒険心>
保証がないことへの不安と周囲からの批判をおそれるきもち。

これらが私たちの前向きな行動を阻害するといわれています。

行動するためには意識を変えることが大切

これらを行うためには自分の意識をかえることが最も大切です。まずは視野を広く持ち、多様性を受け入れる意識が無ければこのような考え方を持つことは非常にむずかしいかもしれません。

私自身、初めてこの理論を知ったときには、”そんなものタダの結果論にしか過ぎない”なんてことを言っていたことがありました。しかし、前向きになって行動してみることで結果を体感し、そのことで私はこの理論を真向きに受け入れるようになりました。

意識は行動を変え、行動は結果を変えます。そして、結果は確信を生み、意識は変わっていくものなのだということを私は確信しています。

バルーンアートへの応用について

バルーンアート生活においてどのように生かせるかということについて、私の体験を踏まえてお話ししたいと思います。

アーティストと経営者という2つの自分のキャリア形成

まず、もっとも生かされているのがこの”アーティスト”と”経営者”という2つの矛盾した存在を両立させるための考え方だと思います。私はアーティストである時の思考と経営者である時の思考を完全に切り分けて考えています。

私の中の経営者は最初”目的や目標をもって行動しろ””明確な価値を生み出す商品を考えろ”と私に言いました。しかし、私の中のアーティストは”好きなものをとことん追求したい””私にしか作れないものこそが世の中にとって価値のあるものだ”と。そして、この葛藤の解決策こそが”プランド・ハップンセオリースタンス”であったということです。

私の中の経営者は、私の中のアーティストに対して”プランド・ハップンセオリースタンスを忠実に守りつつアート活動を続けよ”と命令し、私の中のアーティストは”それは願ってもないことだ”と受け入れました。そして、アーティストが活動を続けるうちに様々な問い合わせがくるようになり、経営者の私はそれをいかにして経営に生かすかということ、つまり、”ブランティング”や”マーケティング”や体系化に集中して考えるようになりました。

結果、”好きなことをとことんやりながら生計を立てる”ということに成功したという事です。

新しい技術を覚えることへのモチベーション

”こんな技術は使えない”と難しい技術を練習することを投げ出してしまう人が多くいます。その背景には、”きっとできないから”という気持ちが見え隠れしているのかもしれません。

たとえば1本で84個のピンチツイストを作ってみたり、風船をくるくるまきとってボタンにしてみたりと、わけのわからない技法はたくさんあるわけです。しかし、その時点では何に使えるかと分からない技術を覚えることに私は全く躊躇しません。何に使えるかはあとになって必要な時に出てくるものだからです。

メンドクサイと思わず、ワクワクして挑戦してみるからこそ技術は向上するし新しい作品を生むことができる。これもプランド・ハップンスタンスセオリーを活かしていると思います。

社会貢献事業へのモチベーション

バルーンアートソシオやツイスターズは社会貢献事業なので収益事業ではありませんでした。こうしたことを続けることができるモチベーションは”プランド・ハップンセオリースタンス”に通じています。

端的に言うと、権力や売名やお金が目的ではなく”とことん自分の好きなようにやる”ということを徹底することでモチベーションを維持し、利益についてはその後考えていくというスタンスです。
当然、全てが成功というわけではなく失敗や苦難も多々あるわけですが、失敗も前向きにとらえて最終的には自分にとって”良かった”と思える方向にもっていくことを常に考えています。

この時、最初から”売名してやろう”とか”自分の地位を上げてやろう”なんて考えてたら、”正直割に合わない”と考えて行動をためらってしまいそうです。しかし、行動しなければキッカケも生まれません。ですから、やると決めたら対価は後で考えて全力で取り組むことにしています。

緊急事態宣言後の行動について

今回の緊急事態宣言は、当初の私のすべての収益事業をストップさせ、私の年間計画だけに留まらず、将来設計まで影響を与えました。

しかし、世の中で”ZOOM”などを使ったオンライン会議や飲み会がブームとなっており、”私もこれやってみたい”と、新しい可能性に不謹慎にもちょっとワクワクしたこともありました。そして、異業種とのオンライン交流会などにも顔を出したりしながら情報交換を行い、うさむーおんらいんを立ち上げるに至りました。

全て、”プランド・ハップンセオリースタンス”を意識した行動の結果だと考えています。

プランド・ハップンセオリースタンスにおいて大切な事

私がアーティストとして、プランド・ハップンセオリースタンスの中の最も大切なことは”冒険心”つまり、”勇気”かもしれないと私は感じています。

理由は、アーティストが最も身に着けることが難しい”自信”というものもこの”勇気”が関係しているように思うからです。バルーンアートを行う人の中には、いくら練習したり風船を習っても全く自信が持てないという人は少なくありません。

結論から言えば誰かの作品を100%模倣することは不可能なので、それによって自信をつけることも不可能です。例えば誰かからほめてもらったとしても、それで満足していてはその人を超えることは絶対にできないのです。

自信を持つためには、”自分で自分を肯定する”ためのプロセスが必要になります。そのためには、”一歩踏み出す勇気”が必要不可欠です。

この理論においても同様で、結局のところ確信が持てなければ当初の私のように”どうせ結果論でしょ”と疑ってしまい行動に移すことをためらってしまいます。ですから、まずは勇気をもって最初の一歩を踏み出すことが最も重要なのだと感じています。

おわりに

ということで、今回は私が大切にしている”プランド・ハップンスタンスセオリー”についてご紹介させていただきました。この理論は当初はあまり知られていませんでしたが最近は結構広まりつつあるようです。

企業にとっては社員のモチベーションアップにも役立つ理論ですし、私たちフリーランスにとっても重要な考え方だと思っています。

逆境に立たされている今だからこそ、現実を受け止めて、前向きにものごとをとらえて新しいチャレンジをしてみてはいかがでしょうか。行動は制限されても、暮らしている人間が変わったわではありません。今だからこそ新しいチャンスが待っているかもしれませんよ。

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