バルーンアートの上達法~人との関わり方と自己評価の大切さ~
2023/10/19
こんにちは。風船使いたけむぅ〜です。せっかく生み出した作品を「かわいくない」とか「下手くそ」と言われたら誰でも悲しくなるし、腹が立ち、やる気を無くすかもしれません。では、褒めまくれば果たしてうまくなるのでしょうか。私がバルーンアートを上達するまでに出会った、二人の尊敬する対照的なアーティストの話を踏まえて、私自身がどう感じ、どう考えながら上達してきたのかについてご紹介します。
目次
「芸人ころすにゃ刃物は要らぬ。ものの3度も誉めりゃいい。」
皆様はこんな言葉があることをご存知でしょうか。つまり、褒めて煽てれば調子に乗ってそこで現場に満足し、努力を辞めてしまい結果的に芸人として消えていく。」ということです。逆に、指摘したり厳しい言葉を投げかけたりした方が、悪者にされてしまったり、「何くそ!」と燃料を与えてしまい、敵に塩をおくることになるので、消すつもりなら攻撃するより煽てりゃいい。この言葉を聞いた時、確かにそうだな・・・と考えさせられたことを覚えています。
私の周りにいる対照的な先輩アーティスト
私の近くには、素晴らしい作品を作る先輩バルーンアーティストやパフォーマーの方がいます。その中でもとくに私の作品に影響を与えたお二人の方は、どちらも全国大会などの公の集まりを避けて活動していて似た部分も多いですが、全く対照的な部分があります。それは人との関わり方です。片方のアーティストAさんは、基本的に私を褒めることがほとんどありません。特に酔っ払うと基本ボロクソに言います。もう片方のアーティストBさんは、基本的に私を褒めまくります。何をやっても「マジですごいですね!もうとっくに抜かれましたね!!」という言葉が返ってくるわけです。当然、B先輩のほうが話しをしていて気分が言いし、A先輩と話しているとショックだし落ち込む時もあります。では、B先輩とだけ話していれば私は成長できたのでしょうか。答えはNOでした。
目より先に、手が肥えることはない
目より先に手が肥えることがないというのは、職人の中では有名な格言です。つまり、自分の目でその良し悪しに気づき、自己評価できなければ一生上達できないわけです。何が悪いのかを知っているからこそ、何が良いのかをより深く知ることができます。褒めてばかりで、具体的に厳しいことを言ってくれない人と一緒にいても目が養われないので上手くなれない。だから、ちゃんと色々と指摘してくれるA先輩から私は離れることはありませんでした。何
ライバルとして見てくれている
では、何も指摘してくれないBさんは冷たい人だったのでしょうか。私はそうは思いませんでした。最初からB先輩は逆に、私のことを一人のアーティストとして扱ってくれていたのではないかと思っています。だからこそ、ライバルの一人として絶対に指摘したり、作品のダメ出しをしたりはしてきませんでした。ただ、私がB先輩を観察して気づいたことに関しての話をすると、「もうそこに気づいちゃいますか」って言いながら色々と自分のこだわりを話して教えてくれました。二人の対応は対照的であったけれども、どちらも「優しい」という部分では共通していたと思います。
自分より上手い表現方法をみると悔しい
私は世界中にあるいろんな作品を観察して、様々な角度から良いところや悪いところを分析して検証しながら様々なアプローチを学びました。そこには、自分がこだわっている部分とは全く違う方法で表現している作品もありました。中には、自分がやろうとしていて上手くいかなかった表現を別の手法で上手く表現している人もいて「悔しいな」と感じることもありました。しかし、よく考えれば、その「悔しさ」も、自分が表現しようと努力していなければ感じることのできない”気づき”でもあったわけです。私はこれを大切にしていきたいと思いました。
馴れ合いで鈍る感覚。10年立っても変わらない人たち
そうした中で、一歩ずつ一歩ずつ技術を磨いていたのですが、そこそこ自分のことがいろんな人たちに知られ始めてきた頃、たくさんの人が私を褒めてくれるようになってきて、もうこれで十分じゃないかな、こだわってA先輩にダメ出しされながら頑張る意味ってあるのかなと感じた時期がありました。もう十分認められたので頑張らなくて良いのではないかと。しかし、私の中にはどうしても譲れないものがありました。それは「こういう作品が好き!」という感情です。それに気がついたのは、ある日とあるバルーン教室に通い続ける方と話した時でした。その方は私にも最初よくしてくれていましたが、正直何年もいろんなバルーン教室に参加しているとは思えない上達具合。自分をちやほやしてくれる先生の自慢話をし、いつも努力している私の友人のバルーンアーティストを貶める発言をしながら、全国大会では新人を見つけては習った技術を教えてマウントをとりに行く。自分をちやほやしてくれないアーティストが受賞すると文句を言いふらす。そして、何よりその褒める作品がどれもデザイン的にも私の好みではなく、「なんとなくちょっと頑張ったら初心者でもできそうな感じ」の作品ばかり。そこで気がついたのが、「ああ、結局僕はこの人たちに下に見られてるから褒められてたんだな」ということでした。
自分が何のためにバルーンアートをやっているのか
自分が認められて喜んでいたことが、全く無価値だったと気がついた瞬間に悲しくなり、この状況に怒りがわき、そして、初心に帰ろうと、天王寺の路上でバルーンアートをやりました。そして、そこで思い出したことがありました。自分は誰かに認めてもらったり、褒めてもらったりするために作品を作るのではなく、試行錯誤しながら、自分が今できる最高に好きな作品を作って、それで誰かを笑顔にして、その笑顔をもっと笑顔にするためになんか色々試行錯誤して、また新しい作品をつくって・・・そんな楽しい日々が好きで、バルーンアートにのめり込んだのだったなということ。何かに認められたら終わりとかそういうことじゃなくて、自分が好きなことを自分で試行錯誤していくその過程こそが自分のやりたいことだったということを思い出しました。そこから全て解放されたように思います。
貶すのも自分、褒めるのも自分。ご褒美は誰かの笑顔や驚き
あれから数年が立ち、最近は、周りからあんまり作品に対して意見を言われることもなくなりました。でも、自分の中では自分の作品に対して「まだまだここが甘い」とか「これはめっちゃいいじゃん」とかずっと思ってますし、他人の作品を見るたびに「さすがやなぁ」とか「あれ?この人最近停滞してる?」とか「うわ、こいつめちゃくちゃ成長してるやべぇ」とか、いろんな声が自分の中に響きます。その声に対して、作品でどう答えていくのか。それを考えるのがとても楽しいです。作品が上達するコツは、きっとポジティブな意見もネガティブな意見も、一旦飲み込んで、それを上手く生かすことを楽しむ気持ちなのかもしれません。自分にとって都合の良い作品、都合のいい意見だけを採用して、馴れ合ってそこに価値を見出していてはきっと一生上手くなれないようなそんな気がします。それはいくら本人が楽しくても、アーティストとしては、生きていないのと一緒なのではないでしょうか。評価は、仲間内の褒め言葉ではなく、お客さんの笑顔だけ。そんな生き方が私はかっこいいなと思えるんです。
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